行政書士の独り言|社長しかわからない病
「社長しか分からない」は強みなのか?
みなさん、こんにちは!
運送業専門行政書士の齋藤です。
地方の中小の運送会社の社長は本当にすごいと思います。
大げさではなく、本当にそう思います。
「この仕事は受ける」
「この運賃では受けない」
「この荷主は大事にする」
「このドライバーなら、この仕事を任せられる」
と、ものすごいスピードで判断する方がいます。
長年の経験があるからこそできる、
ある意味、職人技のようなものです。
ただ、問題があります。
その判断基準、社長の頭の中にしかない。
ということ。
なぜ、この仕事は受けるのか。
なぜ、この運賃ならOKなのか。
なぜ、このドライバーには任せて、別のドライバーには任せないのか。
聞いてみると、
「いやぁ…んー…、まぁアレだな、なんとなくだよ」
となる。
これでは、社長の頭の中が
完全なブラックボックスです。
では、なぜ判断基準を
頭の中だけにしまってしまうのでしょうか。
私は、大きく二つあると思っています。
一つは、
感覚に頼りすぎていて、言葉や数字に変換できないこと。
もう一つは、
長年の経験によって判断基準が複雑に絡み合いすぎて、
自分でも解けなくなっていること。
「経験と勘」と言えば聞こえはいいですが、
他人からすれば
「社長にしか分からない謎ルール」です笑。
ブラックボックスは、会社を引き継げない
社長が健康で元気。
頭もバリバリ回る。
毎日会社に来て、全部判断できる。
それなら、
しばらくは問題ないかもしれません。
でも、会社を誰かに継がせたい。
将来、会社を売却したい。
あるいは、
自分がいなくても回る会社にしたい。
そう考えるのであれば、
このブラックボックスは弊害でしかありません。
だって、社長がいなくなった瞬間、
「で、この仕事どうする?」
「この運賃で受けていいの?」
「この荷主にはどこまで対応するの?」
となってしまうからです。
会社に判断基準があるのではなく、
社長そのものが判断基準になっている。
これでは、会社を引き継ぐというより、
社長の脳みそごとカポッと引き継がなければなりません。
残念ながら、脳みその事業承継はできません笑。
「自分でやった方が早い」を我慢する
もちろん、社長の頭の中にあるものを、
いきなり全部言葉や数字にするのは無理です。
だから、少しずつでいい。
「なぜ今日は、この判断をしたのか?」
「どの数字を見て決めたのか?」
「何を基準にOKとNGを分けたのか?」
毎日少しずつ書き出してみる。
毎日が無理なら、毎週でもいい。
定期的に時間を確保して、
頭の中にあるものを言葉や数字に変換していく。
いわゆる「第2領域」ってヤツですね。
これ、本当に苦しいと思います。
「こんなの説明している暇があったら、自分でやった方が早いわ!」
おそらく何十回いや、何百回も思うはずです。
実際、その瞬間だけを見れば、
社長がやった方が早いでしょう。
でも、そこで毎回、
「自分でやった方が早い」
を選んでしまったら、いつまで経っても
社員は自分で判断できるようになりません。
何でも親が先回りしてやってしまえば、
子どもは親離れできない。
会社だって同じです。
「うちの社員は自分で考えない」
と嘆いていたら、実は社長自身が、
自分で考えなくてもいい社員を育てていた。
そんなこともあるのではないでしょうか。
そのまま何年も経てば、
親離れできないどころか、
立派な「子ども部屋おじさん」を
会社の中に量産することになりかねません笑。
社長の頭の中にある経験や判断基準は、
会社にとって大切な財産です。
だからこそ、
社長一人の頭の中にしまっておいてはいけない。
言葉にする。
数字にする。
人に渡せる形にする。
会社を次の世代に残したいのであれば、
まずやるべきことは、
社長の頭の中にあるブラックボックスを、
少しずつ開けていくことなのかもしれません。
それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。
またお会いしましょう!!
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