栃木県で、会社を設立して運送業(一般貨物・緑ナンバー)を始めたい方のためのページです。今ある会社とは別に、運送部門を新しい会社で始めたい場合にも当てはまります。運送会社の設立は、ふつうの会社設立とほぼ同じ手続きですが、定款の事業目的・法令試験を受ける役員・決算月の3点は、運送業ならではの決め方があります。設立のあとで直すと、手間と費用がかかる部分です。

個人と法人、どちらで始めるべきか

運送業の許可は、個人でも法人でも取れます。ただ、実際には法人で始める方がほとんどです。

法人(株式会社・合同会社) 個人事業
始めるまでの費用 設立費用がかかる(株式会社で約30万円前後。登録免許税や専門家の報酬など) 設立費用はかからない
始めるまでの期間 設立の準備から登記の完了まで約1か月(株式会社の場合) すぐに許可申請の準備に入れる
信用 荷主や金融機関からの信用を得やすい 法人に比べると低く見られることがある
税金・会計 利益が出たときの節税の幅が広い。一方で会計が複雑になり、赤字でもかかる税金がある 会計は比較的かんたん
あとで法人にするとき — 許可をそのまま法人に移せない。譲渡譲受の認可申請が必要で、法令試験も受け直しになる

特に最後の点が大きく、「いずれ法人にするつもり」なら、最初から法人で始めるほうが二度手間になりません。個人で許可を取ったあとに法人にする手続きは、譲渡譲受の認可申請のページで説明しています。

運送会社を設立するときの3つのポイント

1. 定款の事業目的に「一般貨物自動車運送事業」を入れる

会社のルールである定款には、会社が行う事業(事業目的)を書いて登記します。運送業を行うには、「一般貨物自動車運送事業」という正式な名前で入れておきます。

あとから事業目的を追加すると、そのたびに変更登記の手間と費用がかかります。将来行う可能性がある事業も、設立のときに入れておくと安心です。

あわせて入れておくことが多い事業目的

  • 貨物利用運送事業(協力会社に運送を委託する場合など)
  • 倉庫業
  • 産業廃棄物収集運搬業
  • 自動車の販売・整備、古物商
  • 旅客自動車運送事業(バス・タクシーなども行う予定がある場合)

2. 法令試験を受ける役員を決めておく

許可を申請したあと、会社の常勤の役員が運輸局の「役員法令試験」に合格する必要があります。通常は代表取締役が受けますが、取締役が複数いる場合は、誰が受けるかを申請の前に決めて申請書に書きます。申請のときに決めた役員でなければ受験できないので、設立の段階で「誰が運送業の責任者になるか」を決めておきましょう。

法令試験の内容や日程は「法令試験対策セミナー」のページで紹介しています。

3. 決算月(事業年度)は、資金繰りと報告書の時期で決める

法人は決算月を自由に決められます。決めるときは、次の2つを考えます。

  • 納税の時期:法人税などは、事業年度が終わってから2か月以内に納めます。運送の繁忙期と重なって、手元の資金が少ない時期に納税が来ないようにします
  • 運輸局への報告書の時期:運送会社は毎年、「事業実績報告書」(提出期限は毎年7月10日)と「事業報告書」(事業年度が終わってから100日以内)を出します。3月決算なら、2つの期限がほぼ同じ7月上旬になり、まとめて作れます。ほかの決算月だと、年に2回、別々の時期に作ることになります

いちばん大切なのは資金繰りです。報告書の時期は、決め手に迷ったときの参考にしてください。報告書の内容は「事業報告書・事業実績報告書」のページで説明しています。

資本金と「資金計画」にも注意

運送業の許可申請では、事業を始めるのに必要な資金(車両費・人件費・営業所や車庫の費用など)を計算し、それ以上の自己資金があることを残高証明で示す必要があります。会社を設立した場合は、会社名義の口座の残高で示します。資本金や設立時の入金額は、この資金計画を見すえて決めましょう。詳しくは「資金計画は大丈夫ですか?」をご覧ください。

設立から運送開始までの流れ

  1. ご相談・要件の確認営業所・車庫・車両・運行管理者などの人・資金の見通しを確認し、許可が取れるかを先に調べます。
  2. 会社の設立(約1か月)事業目的・役員・決算月を決めて定款を作り、登記します。登記は提携の司法書士が担当します。
  3. 資金の準備会社名義の口座に、資金計画で必要な額を用意します。
  4. 許可申請運輸支局に一般貨物自動車運送事業の許可を申請します。
  5. 役員法令試験申請のときに決めた役員が受験します。
  6. 許可許可が出たら、登録免許税(12万円)を納めます。
  7. 運送開始の準備社会保険の加入、運行管理者・整備管理者の選任、緑ナンバーの取得などを行い、運送を始めます。

新規許可の要件や期間の詳細は、「一般貨物の新規許可申請」のページにまとめています。

よくある質問

運送業は個人でも始められますか?
はい、要件を満たせば個人でも許可を取れます。ただし、あとで法人にするときは許可をそのまま移せず、譲渡譲受の認可申請と法令試験が改めて必要になります。将来法人にする予定があるなら、最初から法人で始めるほうが効率的です。
株式会社と合同会社のどちらがよいですか?
どちらでも運送業の許可は取れます。設立費用は合同会社のほうが安く済みます。取引先や将来の事業規模、役員の構成によって向き不向きがあるので、ご相談の際に一緒に検討します。
会社の設立と許可申請は、どちらを先にしますか?
許可は会社に対して出るので、先に会社を設立してから許可を申請するのが基本です。ただし、営業所や車庫、資金の見通しは設立の前に確認しておくことが大切です。設立したあとで「許可が取れない」とならないよう、先に要件を調べます。
今ある会社とは別に、運送業用の会社を作ることはできますか?
はい、できます。別会社にすると、運送事業の資金や責任を分けて管理できます。今の会社で許可を取る場合との違いも含めてご相談ください。
会社の設立登記もお願いできますか?
はい。設立登記は提携の司法書士が担当し、許可申請は行政書士さいとう事務所が担当して、まとめてサポートします。

運送会社の設立から許可取得まで、まとめてご相談ください

定款の事業目的、法令試験を受ける役員、決算月、資金計画。設立の前に決めておくべきことを、運送業専門の行政書士が一緒に整理します。栃木県内全域(宇都宮市・小山市・栃木市・足利市・佐野市・那須塩原市・鹿沼市など)に対応しています。