利用運送の登録(許可)について

このページでは利用運送について説明しますね。
利用運送ってなんですか?
確かにあまり聞き慣れないかもしれないですね。

水屋と言った方がピンと来ますかね?

あ、水屋のことですか!
知ってます知ってます。
確か取扱とかとも呼ばれますよね?
そうです。
15年位前までは取扱と呼ばれていたこともありますね。
現在は法律が変わってしまい、正式には
「貨物利用自動車運送事業」と呼ばれています。

 

このよに利用運送って何?という質問を良くいただきます。

 

運送業界に勤務していた方ならわかると思いますが、

それでも中にはきちんと理解してない方も結構いらっしゃいます。

 

さらに運送業界以外の方となると利用運送という言葉すら

聞いたことがないのではないでしょうか?

そんな利用運送について分かりやすくポイントだけ説明していきます。

 

利用運送とは?

利用運送についてものすごく簡単な言い方をすると、

社外の配車係というイメージが分かりやすいかと思います。

利用運送はトラックを使った普通の運送業とは違って、

トラックは持たずに荷物のやりとりだけをする形態です。

ちなみにこれは第一種利用運送と呼ばれる形態のことです。

 

第一種利用運送を具体的にわかりやすく説明すると、

利用運送事業社が直接荷主から依頼を受け、運賃を貰い、

他の運送業者を手配し運んでもらうというスタイルです。

「取扱」といった方がピンと来る方もいるかもしれません。

 

下の図を見ていただければよりイメージしやすいかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに利用運送は、第一種貨物利用運送事業の他にも

第二種貨物利用運送事業と呼ばれる形態があります。

さらに第一種の中でもトラックや鉄道、船、飛行機などに分かれます。

そして第二種もトラック→鉄道→トラックやトラック→船→トラックなど

色々な組み合わせがあります。

第一種と第二種の違いはコチラ(只今準備中)のページにまとめましたので

興味の有る方はクリックして御覧ください。

 

現在、さいとう事務所では、第一種利用運送事業のトラックの

登録申請のみ対応しております。

以下の文章は、全て第一種利用運送事業のトラックの場合の登録申請を想定しています。

 

利用運送の特徴

 

利用運送業者として登録するための要件は?

ヒト

以下に該当する場合は、登録できません。

  • 1年以上の懲役や禁錮、出所後、仮出所後残刑期満了後2年経過してない。
  • 利用運送事業の登録や許可の取消しになったり、取消しの日から2年経過してない。
  • 申請前2年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした。
  • 法人の役員が上記のどれかに該当する。
  • 事業に必要な営業所などの施設を有していない。
  • 財産的基礎(カネ)を有していない。
ポイント:運行管理者について
ここでポイントなのですが、利用運送は一般貨物と違い
運行管理者等の資格を持った人がいなくても大丈夫
というところが最大のポイントかもしれません。
なるほど、運送業なのに
運行管理者がいなくても大丈夫なんですね!
そうなんです。
実際に自社でトラックを使用するわけではありませんので
運行管理者も必要ないんですね。
ポイント:個人でも申請できるか?
あとは個人でも申請できるというところもポイントですね。
確かに個人で水屋をやっている人というのを
きいたことがあります。
かならず会社じゃなきゃダメなわけじゃないんですね。

 

 

モノ

利用運送を行う場合、必ず営業所が必要になります。

利用運送の営業所についてはどこでもいい訳ではなく、

以下の点に注意する必要があります。

  • 都市計画法等関係法令(農地法、建築基準法等)に違反していないか?
  • 事務所が賃貸の場合、きちんと賃貸借契約が結ばれているか?
  • 保管施設があるときは、保管施設についても同様
  • 保管施設の図面や書類があり、施設として適切か?

 

カネ

利用運送を始めるためには300万円以上の資金を有している必要があります。

では、そのカネについて聞きたいのですが
どのように証明すればいいんですか?
通帳のコピーとかでいいんでしょうか?
いえ、法人の場合はきちんと決算書で
証明する必要があるんですね。
なるほど、決算書ですか。
決算書のどの部分が必要なんですか?
はい、決算書の中の「貸借対照表」と
呼ばれるページがポイントになります。
ポイント:法人の場合

法人の場合は、純資産が300万円以上あることが条件です。

 

純資産が300万あればいいというのはわかりました。
それってどこに載ってるんですか?
はい、それを見るために貸借対照表を
準備してもらうのです。
ふーーん、それで貸借対照表のどこを見れば
純資産とやらが載ってるんですか?
貸借対照表の右下の方に載っています。
右上が負債についての部分でその下あたりに
「純資産の部」として載っているはずです。
あ、ありました。
でも私の会社の場合、資本金1,000万円なので大丈夫ですよね?
いえ、残念ながら資本金の額は関係ないのです。
え?
そうなんですか?
はい、資本金の額は関係ないんです。
この「純資産の部」が300万円以上かどうか?
資本金ではなく純資産の部の合計で判断するのです。

 

ポイント:純資産がマイナス(△印)の場合

なので、資本金が1,000万円だろうが、残高証明が1億円あろうが、

純資産が300万円を超えていなければNGなのです。

 

■純資産が300万円以下の場合

もし、純資産が300万円の場合は、増資手続きをすることになります。

そんなこと言ったって、純資産そんなにないし、急に増資しろなんて言われても…

という場合には「みなし貸借対照表」や「合計残高試算表」を作成し、

純資産が300万円を超えていれば要件を満たすことになります。

 

ただし、当たり前ですが、適当に作ってはいけません。

そんなことをしたら犯罪になります。

必ず根拠のある計算書類を作成する必要があります。

 

みなし貸借対照表などを作成するときの注意点は、

申請日直前の月末の時点で作成する、ということです。

例えば、1月15日に申請するのであれば、

前年の12月31日時点でのみなし貸借対照表などを

作成することになります。

そしてみなし貸借対照表だけでは足りない場合も

多々ありますので追加書類の提出を求められることが多いです。

 

ポイント:個人の場合

個人の場合は、残高調書というものを作成し添付します。

この場合も要件は法人と一緒で、資産300万円以上が求められます。

預貯金や土地などの資産の価値を計上し調書を作成します。

ここで注意が必要なのですが、住宅ローン等の借入金がある場合は

その分だけ資産がマイナスになります。

例えば、預貯金や土地の評価で資産が3,000万円あったとします。

しかし、住宅ローンや借金が異様に多く負債の合計が2,800万円

あった場合は、合計すると資産が200万になってしまいます。

この場合、資産要件としての300万円をクリアしてないことになってしまいます。

 

新しく会社を作って申請する場合は?

新しく会社を作って申請する場合は、当然ながら

決算報告書なんてあるはずもなく、

貸借対照表を提出することが出来ません。

なので、「開始貸借対照表」という書類を作成し、

これを添付することになります。

新しく会社を作ったときにコレだけ純資産がありましたよ、

という書類です。

新しく会社を作る場合には、資本金300万円以上に

する必要がありますので注意して下さい。

 

費用について

利用運送の登録に必要な書類

法人・個人共通
  • 登録申請書(さいとう事務所で作成します)
  • 事業計画書(内容をお聞きし、さいとう事務所で作成します)
  • 委託先の運送業者との契約書
  • 宣誓書(2種類あります。さいとう事務所で準備します)
  • 運賃表
法人の場合は以下が追加で必要になります。
  • 会社の登記簿と定款
  • 直近の貸借対照表(場合によっては「みなし貸借対照表」など)
  • 役員全員の履歴書と名簿
個人の場合は以下が追加で必要になります。
  • 財産に関する調書
  • 戸籍
  • 履歴書

 

利用運送許可(登録)の流れ

利用運送の登録が完了するまでの期間

利用運送の登録の申請をしてから登録が完了するまで

おおよそ2か月から3か月の期間がかかります。

また、利用運送の登録が完了した後に運賃の設定届出を

提出する必要があります。

この運賃の設定届出を提出することで全ての手続きが完了し、

やっと事業を始めることが出来るのです。

 

登録の申請から事業開始までの流れ

登録した後の注意点

事業報告書等の提出

利用運送事業者は、事業報告書と事業実績報告書を

毎年1回定められた提出期限までに、提出する必要があります。

 

事業概況報告書

事業概況報告書は、毎年、決算日から100日以内に提出します。

事業実績報告書

事業実績報告書は、毎年4月1日から翌年3月31日までの

1年間の貨物の取扱実績の関する報告書です。

7月10日までに提出します。

 

事業計画の内容に変更があった場合

利用運送の登録を申請したときに提出した事業計画のうち、

以下の事項に変更のある場合には、

事業計画の変更登録申請または変更届出が必要になります。

  • 利用運送に係る運送機関の種類の変更(変更登録)
  • 利用運送の区域又は区間の変更(変更登録)
  • 主たる事務所の名称又は位置の変更(変更届出)
  • その他の営業所の名称及び位置の変更(変更届出)
  • 業務の範囲の変更(変更登録)
  • 貨物の保管施設の変更(変更届出)
  • 利用する運送を行う実運送事業者又は利用運送事業者の変更(変更届出)
  • 事業者の氏名・名称・住所・国籍・役員の変更

利用運送事業者の氏名もしくは名称、住所又は国籍、

法人であって役員に変更があった場合は、全て変更届出が必要になります。

代表取締役の変更は、変更後に遅滞なく届出を行わなければなりませんが、

代表権の無い役員の変更の場合は、毎年7月31日までに届出を行えば足ります。

 

運賃・料金の改定

利用運送の登録に行った運賃・料金の届出内容に変更があった場合は、

変更日から30日以内に、変更後の運賃料金の変更届出が必要です。

 

事業承継

第一種貨物利用運送事業の譲渡譲受、個人から法人成り、

合併及び分割、相続を行った場合は、その地位を承継した事業者が、

承継の日から30日以内に届出が必要です。

 

事業の廃止

利用運送を廃止する場合は、実際に事業を廃止した日から30日以内に届出が必要です。

 

 

さいとう事務所では、登録申請書の作成・提出だけではなく運賃設定届までしっかりサポートします。

他の行政書士事務所の場合、登録申請書の作成のみを格安で請け負って提出や運賃設定までは

代行しないというパターンが結構あります。

また、なかには、都市計画法や関連法令に違反していないか等の調査をしっかりと行わずに

申請書を作成してしまう行政書士事務所もあります。

さいとう事務所では要件調査を慎重に行うことはもちろん、正確な申請書の作成・提出、

そして運賃設定届の提出まで最後の最後までしっかりとサポートいたします。

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