資金計画は大丈夫ですか?

ここからは「カネ」についてのお話です。

 

運送業の営業許可申請に欠かせないカネについての要件があります。

このカネについてどのように戦略を立てるかがポイントになります。

しかも、運送業の場合は、それなりの額が必要になるので

事前の準備など段取りが非常に重要になってきます。

 

令和元年11月1日以降、法改正の影響により、以前にも増して資金の要件が厳しくなりました。

 

運送業の営業許可申請と資金計画の関係

運送業の営業許可申請をする場合、資金の計画を作成しなければいけません。

運送業を経営するには、どのくらいの資金が必要になるのかを計画表にまとめて提出します。

 

そして、その計画表通りの資金が用意出来ているかどうかを証明するために、

銀行が発行する残高証明を一緒に提出することになるのです。

つまり、計画表ではじき出した金額を上回るお金(預金)がないと

運送業の新規の申請は出来ないのです。

 

残高証明の提出は2回あります。

残高証明は、申請をする時に提出すれば終わりかと思いきや、

実は、もう一度提出しなければならないのです。

なので、1回の申請で残高証明を合計2回提出することになります。

しかも、1回目に提出した残高証明の額と同額か、

それ以上のお金がないとダメなのです。

継続的にきちんと資金を確保できているかを厳しくチェックされるのです。

 

2回目の残高証明はいつ出すの?

じゃあ、2回目の残高証明の提出はいつになるのか?と思いますよね。

2回目の提出のタイミングは決まっています。

それは役員の法令試験が終わり、その試験に合格した後になります。

 

運送業の営業許可申請の場合は、役員(個人事業主の場合は本人)が、

しっかりと法令を理解しているかをチェックする試験を必ず受けなければいけません。

その試験に合格することで審査が進むのです(詳しくは役員の法令試験についてをご覧ください。)。

 

無事、法令試験に合格した後に、2回目の残高証明の提出をしてくださいという連絡が入ります。

 

資金計画はどんな内容?

運送業の営業許可申請に必要な資金計画表はこのような感じです。

様式2資金計画

この表にある項目を計算して出していきます。

なんとなく運送業を始めたいなぁと思っているとこの表は完成しません。

自分の給料はもちろん、従業員の給料や手当、車に関する税金や保険、

燃料代や修繕費、事務所や車庫の家賃、電気や水道などの料金に加え、

消耗品や備品、広告費など細かく把握しないと資金計画を作成することは

とても難しいです。

 

では実際にいくら必要になるの?

これから運送業を始めたい経営者の皆さんにとって

気になる部分が結局、全部でいくら必要なのか?という部分だと思います。

これはあくまでも私の経験ですが、私がお手伝いさせていただいたパターンですと

法改正前は、大体800万~1,200万位がほとんどでした。

 

しかし、法改正により計画しなければならない資金の額が大幅に増えました。

例えば、主な部分ですと

  • 事務所や車庫の家賃 改正前6ヶ月分→改正後1年分
  • 人件費       改正前2ヶ月分→改正後6ヶ月分
  • 燃料や修繕費    改正前2ヶ月分→改正後6ヶ月分

このように準備しなければいけない資金の量が大幅に増えました。

なので、大体1,600万~2,000万程度の自己資金が必要になる計算ですね。

 

どの位準備できているかで必要な資金は変わる

車庫は買うのか?借りるのか?

事務所は買うのか?借りるのか?

トラックはどうするのか?

借りるのであればいくらで借りるのか?

それともすでに自社名義の事務所や土地があるのか?

 

こういったお金のかかる部分を事前に準備できているかどうかで

必要な資金は大幅に変わります。

 

資金が足りない場合はどうすればいいか?

どうしても手持ちの資金が足りない場合はどうすればいいのか?

という問い合わせが時々あります。

 

足りない場合、銀行などの金融機関からの融資を思い浮かべると思います。

それまでに法人として、別の事業での実績がある場合はいいのですが、

新たに法人を設立し新規の許可申請をした場合はちょっと事情が異なります。

 

新しく新規で法人を設立した場合は、融資を申し込んだとしても、

営業の許可が下りてからでないと融資を受けられない場合がほとんどです。

営業の許可申請をするのに資金が足りない、融資は営業の許可が下りてからだし、

どうしよう・・・。

 

このような状況にならないように、運送業の新規の申請をしようと思った時点で

資金についてもきちんと考えておく必要があります。

 

次は「運行管理者」について説明していきます。

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