ご存知ですか?標準貨物自動車運送約款が変更になりました。

平成29年11月4日から新しい標準貨物自動車運送約款(以下「約款」といいます)が適用されることになりました。

 

そもそも今回の改正の内容は?

すみません、約款の意味がよく分からないのですが。
そうですね、あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、実はちゃんと理解しておくべきことなので説明しますね。

 

約款とは

1.不特定多数のお客さんとの契約を簡素化させるため、あらかじめ定型的に定められた契約の条項を約款といいます。
2.約款は、営業所内に掲示する義務があります。

 

そうなんですね。そういえば会社の中に貼ってあるなぁ。
実は約款を掲示していないと罰則があるんですよ。
え!知らなかった!そんな決まり聞いたことないけど…
きちんと決められています。
結構重い罰則が決められているんですよ。
■使用する約款を主たる事務所その他営業所へ掲示していない場合

→貨物自動車運送事業法第11条運送約款の掲示義務違反 (初違反:警告 再違反:10日車)

■新標準約款以外(独自約款)を使用するにもかかわらず、認可申請をしていない場合

→貨物自動車運送事業法第10条第1項運送約款認可違反 (初違反:20日車 再違反:40日車)

■運賃・料金の変更届出をしていない場合 (※改正後の標準約款の趣旨を含む独自約款で認可を受け、運賃・料金の変更届出をしていない場合を含む。)

→貨物自動車運送事業法第60条第1項報告義務違反 (初違反:警告 再違反:10日車)

 

罰則についてはわかりました。
気をつけます。
では今回の改正はどのあたりが新しくなったのでしょうか?
はい。
それでは改正の経緯を先に簡単に説明しますね。

 

今までは、運賃の中に色々な費用が含まれてしまっていたため、

運送会社さんは十分に収益を確保することが難しい状況だったんです。

 

そのため運転手さんの勤務時間が長くなるにも関わらず、

給料が上がらなかったり、会社の利益が出なかったりという悪循環に長い間陥っていました。

 

そこで、今回の改正で、運賃は運賃、その他の費用はその他の費用でしっかり区別して、

実際の作業や、その内容に見合った対価をきちんと受け取ることができる仕組みにしたのです。

 

具体的な内容はというと

「運賃」から「積込料、取卸料」「待機時間料」「付帯業務料」を区別して、

それぞれ別々に料金をいただきますよ、という内容に変わったのです。

 

実際には、全て運賃に含まれている場合が多いのでしょうが、

今後は運賃以外の費用をきちんと荷主に請求できる内容に国が後押しをしたというイメージですね。

 

それぞれの料金について簡単に説明します。

 

■「運賃」純粋に運送の対価の事です。
■「積込料、取卸料」積込先や荷降先で運転手さんが積込みや荷降ろしに対する費用です。
■「待機時間料」荷主都合で運転手さんに待ち時間が発生してしまったときの費用です。
■「付帯業務料」棚入れやラベル貼り、横持ち、縦持ち、はい作業をしたときの費用です。

 

では具体的になにをすればいいのでしょうか?
はい、説明しますね。

今回は、今まで標準貨物自動車運送約款を使い続けていた場合を例に説明します。

 

独自約款を使用している場合などもあるかと思いますが、

標準貨物自動車運送約款を使用している運送会社さんがほとんどだと思いますので、

今回は独自約款などの場合は省略しますね。

 

といっても特に難しくなく運賃料金変更届出書というものを作成し、陸運局に提出すれば完了です。

 

その際のポイントは2つです。

1.「積込料及び取卸料について」の料金を決める
2.「待機時間料について」の料金を決める

 

この2つを決めて陸運局に運賃料金変更届出書を提出し、

提出が完了したら営業所内に新しい約款を掲示すれば手続きは完了です。

 

実際には料金の設定に悩むかもしれませんね。

積込料、取卸料、待機時間料それぞれ上限と下限を決めて変更届出書を作成するのですが、

ここはある程度の幅を持たせて設定すると良いと思います。

 

運賃料金の変更届けについてこんなことでお困りでしたら

  • そんな事言われてもいくらに設定していいかわからない
  • 書類を作成して陸運局に持っていくのが面倒
  • そもそも今回の制度の趣旨がイマイチ理解できない
  • どうせ出さなくても大丈夫でしょ?

このような場合は、すぐに行政書士さいとう事務所にご相談下さい。

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