営業所は確保できていますか?

運送業の営業許可申請に欠かせないモノに「営業所」があります。

営業所については色々な条件をクリアする必要があります。

そして「営業所」とセットで「休憩・睡眠施設」も同様です。

 

そもそも営業所とは?

営業所とは運送業を経営するうえでの事務所と思ってください。

特に法人で運送業の許可申請を考えている場合、

必ず法人の登記簿上の本店所在地でないとダメなのか?

という質問がありますが、本店所在地と運送業の営業所は別でも大丈夫です。

つまり法人の本店所在地と違う場所に運送業の営業所をおくことができるのです。

 

営業所にする物件はどこにすればいいのか?

ここが大きなポイントです。

運送業の営業所はどこでも大丈夫なわけではありません。

特に、都市計画法上の用途制限には細心の注意が必要です。

分かりやすく言うと営業所として使ってはダメな地域が決められているのです。

具体的な要件は以下のとおりです。

  • 市街化調整区域ではない
  • 住居専用地域ではない(例外あり)
  • 農地ではない
  • 建物が建築基準法に違反していない
  • その他、消防法などの法令に違反していない
  • ある程度の広さを確保している(原則10㎡以上)
  • 事務所を借りる場合は1年以上の契約であること

ここに注意

すでに自社で物件を持っている、または自宅の一部を

運送業の営業所として使用する等の理由が無い限り、

物件を探そうと思ったら不動産屋さんに相談をすると

思います。

そこで、1つだけ注意をして欲しいことがあります。

不動産屋さんが「ここ事務所(営業所のこと)で使って大丈夫ですよ」

と言っても鵜呑みにしないことです。

これにはいくつか理由があります。

例えば、以前に入居していた人が事務所として使っていた場合。

確かに、運送業以外の業種の事務所であれば問題ないかも知れません。

ですが、運送業の場合、都市計画法の照会を厳しく行います。

その結果、実際に借りたら運送業の営業所として申請できないかった…。

という例があります。

また、借りようとしている物件が店舗として使われていた場合も

注意が必要です。

あくまでも店舗として建築が認められた物件の場合、そこを

店舗以外、つまり運送業の営業所として使用することは出来ない物件もあります。

また、市街化調整区域に建てられている建物を借りる場合には

かなり慎重に調査しなければいけません。

開発行為との調整も必要になる物件が多く素人ではどうにもならない

場合がかなりあります。

さらに、住居専用地域にある物件を紹介されたときも注意して下さい。

住居専用地域は色々な要件があり、それをクリアしないと運送業の営業所として

使用することは認められません。

自宅の一部やアパート、マンションの一部を運送業の営業所にできるのか?

上記の要件をクリアしていれば自宅の一部やアパート、マンションを

運送業の営業所として申請、使用することは可能です。

ただし、大家さんの使用承諾書をもらったり、

賃貸借契約書の目的が「事務所」になっていることや、

マンションの場合、管理組合の規約を確認したりと

いくつか事前に確認しなければいけないことがあります。

こういった事を慎重に進めないと後でトラブルになる場合がありますのでご注意ください。

 

休憩・睡眠施設は営業所と同じ場所じゃないとダメなの?

運送業を始める場合、営業所の他にも必ず「休憩・睡眠施設」も

設置しなければいけません。

これは何かと言うと、運転手の皆さんが休憩したり仮眠をとったりする

スペースのことを言います。

基本的には営業所か車庫に併設することになります。

が、車庫に併設する場合は、運送業の営業所と同じ条件をクリアしていないとダメです。

例えば、車庫が市街化調整区域にある場合。

この場合は、原則として車庫に休憩施設を併設することはできません。

 

仮眠室(睡眠施設)は必ず必要なの?

これもよくある質問です。

仮眠室は必ず用意しなくてはいけないということはありません。

もちろん仮眠が必要な運行をする場合は用意しなければダメです。

しかし、基本的に日中の運行で仮眠が必要ない場合等の場合は、

仮眠室は用意しなくて大丈夫です。

 

さて、次は「車庫」についての要件を説明していきます。

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