運行管理者は確保できていますか?

運送業の営業許可申請に欠かせないヒトの種類がいくつかあります。

その代表格が「運行管理者」という資格を持った人です。

この運行管理者ですが、ご存知の通り誰でもなれるわけではありません。

2つの条件のどちらかをクリアした人だけがきちんと登録をして

初めて運行管理者になれます。

 

そしてもう一つ重要なことは、「運行管理者は運転手と兼務出来ない」

という点をしっかり覚えておく必要があります。

 

ただし、例外として、他に運行管理者を選任していたり、

運行管理補助者を選任している場合は、

運転手として兼務することは可能です。

 

ただ、規模の小さいうちは運行管理者は1人しかいない場合が多く、

また、運行管理補助者も選任していない場合がほとんどなので

基本的には、運行管理者と運転手の兼務出来ないと思っておいて良いと思います。

 

運行管理者になるための2つの条件とは?

 

  1. 運行管理業務に関して1年以上の実務経験がある人で運行管理者試験に合格した人
  2. 運送業の運行管理業務に関して5年以上の実務経験があり、一定の講習を5回以上受講した人

 

この2つのどちらかに該当する人でなければ運行管理者にはなれないのです。

1.の場合は実務経験がなくても基礎講習という3日連続の講習を受講すれば

受験資格が与えられ運行管理者試験を受けることが出来ます。

 

しかも、この運行管理者試験はれっきとした国家試験です。

きちんと勉強した人にだけ与えられる資格なのです。

 

運行管理者の役割とは?

運行管理者と言えば点呼を取る人というイメージでしょうか?

例えばですが、点呼はあくまでも運行管理者の業務の一つであり、

まずは運行管理者にどんな役割があるのかを知っておく必要があります。

 

  1. 運行の安全確保と交通事故の防止
  2. 社長と運転手をつなぐ
  3. 運行管理業務の改善

 

それでは少し詳しく見ていきましょう。

1.運行の安全確保と交通事故の防止

少し難しい言葉で言いますと「安全かつ確実な自動車輸送の遂行」

という使命が運行管理者には定められています。

法令で決められた運行の安全の確保と交通事故を防止するという責任があるのです。

2.社長と運転手をつなぐ

小さい会社は別として、ある程度規模が大きくなってくると

運転手と社長が顔を合わせる機会が少なくなってきます。

そこで運行管理者の出番になります。

しっかりと運転手の声を聞き、コミュニケーションを取り、

必要があれば運転手の意見や希望、声などをきちんと

社長に伝える大切な役割も運行管理者の仕事なのです。

3.運行管理業務の改善

例えば事故が起きた場合ですが、きちんと事故の原因を追究し、

同じような事故が2度と起きないように再発防止策を考えたり、

同業他社の事故の事例などを参考に再発防止策を定めたりするのも

運行管理者の役割になります。

一つの営業所に運行管理者は何人必要でしょうか?

さて、それでは肝心の運行管理者ですが、

1つの営業所に何人必要なのでしょうか?

 

運行管理者の必要人数は、車両の数により変わってきます。

基本的には車両29台までは運行管理者1人で大丈夫です。

 

許可を申請する時点ですと大体が5台からスタートしておりますので

申請時においては運行管理者は最低1人が必要になります。

その後は、事業が順調に拡大し、車両も増えてくると運行管理者の数も

それに合わせて増やさなければいけません。

許可の申請時点で必ず運行管理者がいないとダメなの?

よくある質問なのですが、運送業の営業許可を申請する時点で、

運行管理者になる人が決まっていないとダメなのか?

という質問があります。

 

答えは決まっていなくても大丈夫です。

 

営業許可の申請時点では確保予定でも大丈夫なのです。

 

ただし、営業許可が出た後には正式に運行管理者として

選任届を出さなければ事業が始められないので注意が必要です。

なので、申請時点では決まってなくても申請できますが、

運送業を開始する前までには運行管理者を確保しないとダメなのです。

 

法令違反に対しては重大なペナルティが待っています

先にも説明しましたが、運行管理者になるには原則として

国家試験を受けなければいけません。

 

たとえ実務経験などで運行管理者になっても、

実際に運行管理者として業務を行うなかで

法令違反をすれば運行管理者としての地位を失ってしまいます。

 

それに失うだけではなく一定の期間、運行管理者になることが出来なくなります。

運行管理者として選任された場合、法令違反について、

ついうっかりや知らなかったなどでは済まされません。

しっかりとした職業意識が必要になります。

 

 

次は「整備管理者」について説明していきます。

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