行政書士の独り言|「忙しさ」依存症
「忙しい」という自分に酔う
みなさん、こんにちは!
運送業専門行政書士の齋藤です。
会社を経営していると、久しぶりに現場の作業を手伝う機会があると思います。
もしかしたら、「久しぶりに」ではなく
いつも手伝ってるよ!!という社長もいるかも知れません。
こんな経験、ありませんか?
ある日、急な欠勤などが重なり、
その日の人手が足りなくなりました。
しかも、その日に処理しなければならない件数はかなり多い。
納期も決まっている。
荷主さんとの約束もある。
「これはさすがに自分も入るしかない」
そう思い、自分自身も作業に入ることになりました。
伝票を確認し、
車両やドライバーの状況を見て、
段取りを組み直す。
必要な連絡を入れ、
抜け漏れがないか確認しながら進めていく。
普段やり慣れていない分、
時間もかかります。
頭も使います。
当然、バタバタします。
ところが、不思議なことに、そういう時間には、
どこか“仕事をしている感”があります。
目の前にやることがある。
手を動かせば進む。
一つ終われば、また次がある。
全部終わったときには、それなりの達成感もあります。
「ああ、今日はよく働いたな」
そう思えるわけです。
でも、そんなとき、思い浮かべて欲しいことがあり、
「忙しさ」というのは、かなり危険だということです。
忙しいと、人は安心してしまいます。
何かをしている。
動いている。
頑張っている。
だから会社は前に進んでいるはずだ。
そんな錯覚が生まれます。
でも本当は、ただ目の前の業務に追われているだけかもしれません。
配車。
点呼。
運行管理。
車両管理。
ドライバー対応。
荷主対応。
請求、伝票、日報の確認。
クレームやトラブルへの対応。
運送会社の経営者には、毎日やることが山ほどあります。
そして忙しくしていると、自分に言い訳ができます。
「忙しいから仕方ない」
「今は考える時間がない」
「落ち着いたら改善しよう」
「とりあえず今日の運行を回すのが先だ」
でも、たいていの場合、
その“落ち着いたら”は来ません。
忙しい会社は、放っておけばずっと忙しいままです。
そして、その忙しさに慣れてしまう。
むしろ、忙しくないと不安になる。
少し時間が空くと、
何か悪いことをしているような気持ちになる。
だからまた、目の前の作業で自分を埋めようとする。
これは、もはや「忙しさ依存症」に近いのかもしれません。
忙しさは、一時的な達成感を与えてくれます。
でも同時に、根本的な課題から目をそらす理由にもなります。
本当に考えなければならないのは、
「どうやって今日の運行を乗り切るか」
ではありません。
なぜ、この状況になったのか。
どこで属人化しているのか。
誰かが休んでも回る仕組みになっているのか。
社長が現場に入らないと止まる業務はどれか。
その状態を、どう改善していくのか。
本当の課題は、そこにあります。
忙しいという状態そのものが問題なのではありません。
問題なのは、忙しさを理由にして、
考えることを止めてしまうことです。
忙しさは、思考停止を正当化します。
それが一番危ない。
「大変だった」で終わらせるのか。
「次はこうならないようにしよう」と仕組みに変えるのか。
この差は大きいと思います。
忙しいことを誇るのではなく、
忙しくならない仕組みを作る。
頑張ることに酔うのではなく、
頑張らなくても回る形を作る。
運送会社の経営に必要なのは、
まさにそこなのかもしれません。
忙しさに逃げない。
私も、久しぶりに細かい作業をしたことで、
あらためてそう感じました。
それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。
またお会いしましょう!
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