行政書士の独り言|忙しすぎる社長の弊害

忙しい=脆い、という可能性


 

みなさん、こんにちは!

運送業専門行政書士の齋藤です。

 

数日前までの出来事です。

ご縁があり、ある運送会社さんの

Gマーク申請のサポートをしました。

サポートといっても、当たり前ですが、

こちらで書類を作成したり、

申請作業や提出を代行したりしません。

 

要件の確認、

必要資料の整理、

社内で何を準備すべきかの洗い出し、

進捗管理といった、

コンサルティングや整理役としての関与です。

 

会社の規模としては、

車両台数が30台から40台ほど。

中小運送会社としては、

決して小さすぎるわけではありません。

むしろ、この規模になれば、

本来であれば社内管理の体制が

ある程度整っていてもよい段階だと思います。

ところが、実際に案件を進めるにつれ、

ほとんどすべてのことが社長に集中していました。

車両のことも、

ドライバーのことも、

運行や教育のことも、

社内のルールも、

許認可の内容も、

どこに何の資料があるかも、

基本的には社長しか分からない。

事務や内部管理の体制も、

十分に整っているとは言えない状態でした。

給与計算なども、

奥さんが何とか対応している。

役員らしき方はいるものの、

Gマークの申請や社内体制づくりには、

ほとんど関与していない。

というより、全く興味がないようにも見える。

何を聞いても「オレ、それ分かりません」と。

そのような状態で、社長はというと、

案の定、常に忙しそうにしています。

Gマークの要件を確認している最中にも、

電話が鳴る。

進捗確認をしている途中にも、

別の相談が入る。

ひとつの話をしていても、

別の案件の判断を求められる。

常にマルチタスク状態です。

もちろん、社長が忙しいこと自体は珍しいことではありません。

特に中小の運送会社では、

社長が営業も見る、

配車も見る、

取引先や荷主などのやり取りも見る、

人も見る、

車も見る、

お金も見る、

ということはよくあります。

ただ、今回あらためて感じたのは、

忙しすぎる社長は、

“会社の成長を止めてしまう”

可能性があるということです。

すべてを社長が把握しているというのは、

一見すると強みに見えます。

判断が早い。

現場を分かっている。

細かいことまで目が届く。

確かに、創業期や小規模の段階では、

それでうまくいくこともあります。

しかし、30台、40台の規模になっても、

すべてが社長の頭の中にしかない状態だと、

会社は非常に危うくなります。

社長がいなければ分からない。

社長が判断しなければ進まない。

社長が電話に出なければ止まる。

社長が覚えていなければ誰も確認できない。

これは、経営ではなく、

社長個人の頑張りで会社を動かしている状態です。

そして、この状態の会社ほど、

無駄なお金を払いたがりません。

人を入れる。

管理体制を作る。

システムを導入する。

専門家に相談する。

幹部を育てる。

本来は必要な投資であるにもかかわらず、

目先の支出として見てしまう。

その結果、社長がさらに忙しくなり、

社内の仕組み化は後回しになり、

結局また社長にすべてが集中していく。

まさに悪循環です。

さらに気になったのは、

Gマークの話をしている中で、

どこか裏ワザや抜け道を探そうとする姿勢が見えたことです。

もちろん、できるだけ効率よく進めたい、

という気持ちは分かります。

しかし、本来Gマークは、

表面的に取得することだけが目的ではありません。

安全管理、教育、記録、社内体制等を

見直すきっかけでもあります。

にもかかわらず、

社内の体制そのものが整っていないまま、

何とか形だけ整えようとする。

正直に言えば、

その状態でGマークを取ることよりも、

まず1年かけて社内の体制を整えた方が、

よほど良い運送会社になるのではないかと思いました。

誰が何を管理するのか。

どの情報をどこに集約するのか。

社長以外でも判断できる業務は何か。

奥さんに頼りきりの事務をどう見直すのか。

役員や幹部にどこまで権限を渡すのか。

必要な投資をどこに行うのか。

こうしたことに本気で取り組むだけで、

会社は大きく変わるはずです。

忙しい社長は、

頑張っている社長です。

しかし、社長が忙しすぎる会社は、

仕組みが弱い会社でもあります。

Gマークの取得も大切です。

対外的な信用も大切です。

でも、それ以上に大切なのは、

“社長がいなくても会社が回る体制”

を作ることではないでしょうか。

社長が全部を抱え込む会社から、

役割と責任を分けて動く会社へ。

その転換こそが、

中小運送会社にとって本当の意味での安全管理であり、

経営改善なのだと思います。

それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。

またお会いしましょう!

 

無料相談は↓のバナーをクリックして下さい。↓