車庫の移転・新設・増設・減少について

 

一般貨物自動車運送事業(以下「運送業」と言います。)が
軌道に乗ってきてトラックが増えてくると、

一番最初に出てくる問題が
車庫」をどうするか?
という問題ではないでしょうか?

最初は、どの位事業が伸びるか分からないので、
車庫の面積をあまり広く取らない場合があります。

ところが、順調に業績が伸びてくると
トラックの台数もそれに比例して増えてきます。

トラックの台数が増えてくれば当然、
車庫の面積が足りなくなりトラックを
増車出来なくなってしまいます。

そこで車庫をどこかに借りようか、
という話になるわけです。

車庫を新たに別な場所に借りたり、
今の車庫に隣接した土地を借りたりして
面積を増やしたり、そもそももっと
面積の大きい場所に車庫を引っ越しを
したりといくつかの選択肢が出てきます。

 

車庫の変更は勝手にはできません。

運送業において「車庫」は
とても重要な項目です。

つまり、
勝手に別な場所に移転したり
面積を増やしたり出来ないのです。

きちんと認可申請をして、
認可が下りてからじゃないと
車庫として使用することは出来ません。

 

勝手に車庫を移転したり、
別な場所に停めたり、
敷地面積を増やしたりして
トラックを置いたりしていると、

無認可の車庫を使用しているとして
行政処分の対象になってしまいます。

 

車庫に関する手続きとは?

運送業において車庫に関する手続きとは
主に以下の手続きを言います。

  • 車庫の新設(今の車庫とは別に、新たな車庫を新たに設置する場合)
  • 車庫の移転(今の車庫から別の場所に引っ越す場合)
  • 車庫の増設(今の車庫の面積を増やす場合)
  • 車庫の減少(今の車庫の面積を減らす場合)

 

事業計画の変更認可申請が必要です。

運送業の車庫の新設・移転・増設・減少
に関する手続きは、全てが認可申請です。

ということは、当たり前ですが、
きちんと色々な条件をクリアして、
そのうえで認可申請をしないと認可が下りません。

また、申請をしてから認可が下りるまで
通常3ヶ月くらいかかります。

当然ながら認可が下りていない車庫を
使用することは出来ません。

タイミングを間違えてしまうと、
その分だけ時間やコスト、さらには
行政処分の対象となってしまう
可能性まで出てきてしまいます。

 

ここに注意!!

それでは、具体的な要件に入る前に大前提として、
以下のどれかに該当しないか確認しましょう。

車庫を新設、移転する場合で以前より面積が増える場合か、現在の車庫の面積を増設する場合

  • 欠格要件に該当する人役員等にいないか(欠格要件についてはコチラ)
  • 申請日前3ヶ月間又は申請日以降に巡回指導で「E」評価だったかどうか
  • 申請日前3ヶ月間又は申請日以降に自社が原因による重大事故を起こしていないか
  • 申請する営業所に車検切れの車両はないか
  • 事業報告書事業実績報告書運賃料金変更届出書その他提出義務のある書類を提出しているか
  • 適切な運送約款を使用しているか

 

車庫の要件

運送業の新規の許可申請の場合は、
コチラをお読みいただければ
わかりやすいと思いますが、

ここでも再度、車庫として認可を
受けるための要件を説明します。

 

営業所・休憩施設が車庫に併設しない場合

  • 市街化調整区域ではない(屋根がなければ市街化調整区域でも大丈夫です。
  • 住居専用地域ではない(例外あり)
  • 農地ではない
  • 営業所から直線で10㎞以内(栃木県の場合)
  • 駐車場の入り口に面した道路の幅が十分にある(幅員証明で確認)
  • 車を全部収容できる広さがあること
  • 車庫を借りる場合は2年以上の契約であること

 

営業所・休憩施設と車庫が併設する場合

  • 営業所・休憩施設が車庫に併設している
  • 市街化調整区域ではない
  • 営業所・休憩施設が建築基準法に違反していない
  • 住居専用地域ではない(例外あり)
  • 農地ではない
  • 営業所から直線で10㎞以内(栃木県の場合)
  • 駐車場の入り口に面した道路の幅が十分にある(幅員証明で確認)
  • 車を全部収容できる広さがあること
  • 営業所・休憩施設と併せて車庫を借りる場合は2年以上の契約であること

特に、田舎の方だと、土地が安いので
申請前に借りてしまったら農地だった…
という話はよくありますので、ご注意下さい。

ただし、農地であったとしても
適法に農地転用をした後であれば申請可能です。

また、営業所と車庫が併設している物件を
探す場合は注意が必要です。

この場合は、まず車庫としての機能や賃料を
優先するのではなく、営業所としての
要件をクリアできるかどうかを最優先
する必要があるのでご注意下さい。

 

車庫の前面道路との関係

運送業の車庫に面した道路に対しても
いくつかの要件があります。

簡単に言うと、
トラックが車庫に出入りするのに
十分な広さがある道路かどうか?
ということです。

車庫に出入りするための道路幅が
ちゃんと確保されていますよ、
という事を証明するために幅員証明を添付します。

市道であれば市役所の道路を管理する課で、
県道であれば各土木事務所が管轄になります。

道路の幅ですが、
よく耳にするのが
「最低でも道路幅員が6m以上が必要」
です。

確かにそのくらいの道路幅員があれば安心です。
しかし、必ずしも6m以上必要なわけではありません。

何を根拠に「6m以上必要」といっているのか謎です。
ま、多分、アノ条文を根拠に言っているんだろうな、
位の想像はつきますが。

はっきり言って、道路管理者との調整などで
道路幅員が6m以下でも認可が下ります。

ただし、きちんと車両制限令を理解していないと
道路管理者や運輸支局、運輸局担当者と
スムーズにやりとりができませんのでご注意を。

ちなみに前面道路が国道の場合は
幅員証明の添付は必要ありません。

 

車庫はどのくらいの広さがあればいいのか?

運送業の車庫に関する認可申請を
しようとした場合には、トラックの数に
合わせた面積が確保されていること
が求められます。

トラック1台あたりの大きさに対して
車庫として必要な面積が
ちゃんと決まっています。

 

1台あたりの必要面積

  • 普通  1台あたり38㎡
  • 小型  1台あたり11㎡
  • 牽引  1台あたり27㎡
  • 被牽引 1台あたり36㎡

 

 

営業所や休憩・睡眠のための施設が併設する場合

都市計画法、建築基準法、消防法などに
違反していないことが大前提です。

よくあるパターンなのですが、
市街化調整区域にある車庫に、
勝手に建てたプレハブが
あったりする場合があります。

市街化調整区域には、
基本的には建物を建てることが
出来ないのでこのような
プレハブは、「営業所や休憩・睡眠の施設」
として認可を取ることは出来ません。

また、睡眠のための施設を設置する場合は
1人当たり2.5㎡以上の広さを確保する必要があります。

営業所や休憩・睡眠のための施設が
併設する場合の要件は、営業の移転・新設
ページを参考にして下さい。

 

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