運送業専門の行政書士が解説|「再委託は2回まで」って知ってましたか?

運送・利用運送業者に課される“努力義務”の本当の意味

 

みなさん、こんにちは!

運送業専門行政書士の齋藤です。


「ウチの荷物、結局どこが運んでるんだっけ?」

そんな疑問を口にしたことがある運送会社の社長!!
今すぐ注意が必要です。

2024年から、国交省の主導による
物流の規制改革が一気に進んでいます。

そしていよいよ2026年4月1日から
トラック新法が施行されます。

その中でも見逃せないのが、

「再委託の回数を2回以内に抑えるべし」

という新しいルールです。


もはや“下請けの下請けのまた下請け”は通用しない

これまで、貨物自動車運送事業や
貨物利用運送事業では、
荷主 → 元請 → 下請 → 再下請…という形で、
ズルズルと実質的な多重委託が常態化していました。

結果、こうなります:

  • 実際に輸送する会社は誰か分からない

  • 安全責任の所在があいまい

  • コストが中間業者に吸われる

  • 下請、孫請、と階層が下がるほど運賃が搾取される

  • 下請、孫請等の会社の経営がひっ迫

  • 運転者の労働条件が不安定

こうした問題を是正すべく、国交省は2024年以降、
委託は2回までに抑えるべし(努力義務)”
というルールを設けたのです。


誰が対象?再委託2回ってどう数えるの?

対象は以下の通りです:

  • 一般貨物自動車運送事業者

  • 第一種貨物利用運送事業者

この2者には、
「再委託を2回以内にするよう努めること」
が義務付けられています。

ここで注意したいのは、
「2回以内」のカウント方法です。

例えば…

  1. 荷主Aが、利用運送業者Bに依頼

  2. Bが、運送業者Cに再委託

  3. Cが、さらにDに再々委託

この場合、3段階目=再々委託で、
努力義務違反の対象になり得ます。

つまり、荷物の“旅”が3回以上続くのは、
もう通用しないということです。


努力義務だからって甘く見てない?

よくある勘違いがこれです:

「努力義務ってことは、守らなくてもOKでしょ?」

答えはNOです。
この種の“努力義務”は、
国交省にとって「実質的な業界への警告」です。

調査や監査で委託構造が
3社を超えていることが常態化していれば、

  • 是正勧告

  • 業務改善命令

  • 許可取消や営業停止(悪質な場合)

といった措置に発展する可能性もあります。


「知らなかった」「ウチは関係ない」は通用しない

多くの事業者が陥るのがこのパターン:

  • 利用運送業者を挟んでいることに気づいていない

  • 書面の取り交わしがなく、再委託関係がブラックボックス化

  • 責任の所在が不明で、事故やトラブル時に処理が遅れる

これでは、「適正な輸送体制を確保している」とは言えません。


じゃあ何をすればいいのか?

まずやるべきは、委託構造の「見える化」です。

  • 誰から誰へ、何回委託が行われているのか?

  • 契約書や業務委託書に再委託の制限条項はあるか?

  • 荷主・元請との連携体制はあるか?

特に、利用運送業者が絡むケースでは、
「委託の階層」を把握し、
2回以内に収まる仕組みを社内で作ることが重要です。


対策のサポートはお任せください。

私は、運送業専門の行政書士として、以下のような支援を行っています:

  • 委託・再委託フローの整理と改善提案

  • 契約書類の見直しと条項作成

  • 必要に応じて荷主への説明支援(書類作成や根拠提示)

規制に“なんとなく”対応するのではなく、
「事業体制そのものを見える化する」
という視点でお手伝いします。


再委託の限界は“事業の限界”です

荷物がどこに流れているか分からない。
誰が責任を持つのか曖昧。
下請けに丸投げしてきたツケが、今まさに問われています。

「2回まで」が示すのは、単なる数字ではなく、
“物流業界の再構築に本気で取り組め”
という国からのメッセージ
です。

その変化に正面から向き合いたい方、
自社の体制を根本から見直したい方、
私は全力でサポートします。

 

それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。

またお会いしましょう!

 

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