行政書士の独り言|それでも値上げをしない理由
値上げができない本当の理由とは?
みなさん、こんにちは!
運送業専門行政書士の齋藤です。
すでに、ご存知だと思いますし、今更言う事でもないのですが、
昨今、世の中のあらゆるモノやサービスが次々と値上げされています。
人件費、燃料費、保険料、資材費、車両代、整備コストなど、
運送業界を取り巻くコストも例外ではありません。
新車なんて、もうハンパ無い金額です。
それにもかかわらず、
なぜか運送会社の多くは「値上げ」という当たり前の選択をしようとしません。
なぜでしょう?
誤解を恐れずにズバリ言うと、
それは経営者として責任を放棄しているのと同じではないでしょうか。
「値上げ交渉は面倒だから」
「お客様に断られたらどうしよう」
「昔からこの運賃だから」
——そういった言い訳を口にして、
値上げという大事な経営判断を先送りしているように見えてしまいます。
当然ながら、運転手の賃金も上がりません。
他業界では人材確保のために賃上げが進み、
人手不足の中でも給与水準は上昇しています。
それに対して運送業界は、
「人が足りない」と言いながら「給料を上げられない」と嘆くばかりです。
なぜ給料を上げられないのか。
それは、本当にお金がないからでしょうか?
あるいは、運送原価と真剣に向き合っていないからではないでしょうか。
当たり前の話ですが、もし、本当に真剣に運送原価と向き合っていたら、
燃料代や拘束時間、車両コスト、荷待ち時間など、
「この運賃では立ち行かない」とすぐ気づくはずです。
にもかかわらず値上げに踏み切れないのは、
「言ってもムダ」「今さら遅い」といった諦めや、
努力をする前から逃げ腰になっているからだと感じます。
本当に交渉したのでしょうか?
根拠となるコスト資料を提示し、
誠意を持って話し合いをされたのでしょうか?
もし準備もせずに「無理」と決めつけているのだとしたら、
それは単なる思考停止に過ぎません。
経営者の本来の仕事は、「どうすれば値上げできるか」を考え、実行することです。
お客様の顔色をうかがってばかりで、
値上げという正当な主張を避けていては、
会社の未来はありません。
断られたっていいじゃないですか。
これだけ人件費、燃料代、車両代が高いという現実を知っているのにもかかわらず、
値上げに応じない荷主なんてこっちから切ればいいじゃないですか。
そりゃ、そんな事したら一気に経営状況が悪くなるのは目に見えますよ。
でも、そんな荷主と付き合っていても、
結局は生かさず殺さずでいつまで経ってもゾンビみたいな経営しなきゃいけないんですよ。
値上げは、決して「悪」ではありません。
私だって、値上げして(そもそもが高いですが笑)、
高い!!とかボッタクリだ!!とか言われること、正直あります。
でも、健全な利益を確保し、それを社員に還元し、
企業としての持続性を保つための当然の取り組みです。
そして、しっかりとした根拠と姿勢があれば、
理解してくださるお客様は必ずいます。
もちろん、仕事を高品質で提供するのは大前提です。
「それでも値上げをしない理由」。
その言い訳を続けることが、会社の未来を閉ざし、社員の意欲を奪い、
ひいては業界全体の価値を下げているということに、
今こそ気づいていただきたいと思います。
それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。
またお会いしましょう!
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