行政書士の独り言|求人が来ないと嘆く前に

求人の応募が来ない会社に共通している◯◯

 

みなさん、こんにちは!
運送業専門行政書士の齋藤です。

これは、運送会社でよくある話なので
耳をかっぽじって聞いてほしいと思います。

たとえば、あなたがキャリア15年のベテラン・トラックドライバーだったとします。
中型・大型免許も保有していて、即戦力。
運送会社側としては、当然「経験者に来てほしい」と考えるはずです。

では、視点を変えて──。
あなたがその立場で転職活動をしていると仮定しましょう。
求人サイトで見つけた、ある会社の求人内容がこちらです。

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アットホームな会社です。
関東近県が中心です。
給料◯万円、土日休み
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これだけの情報で、あなたはその会社に応募したいと思うでしょうか?
おそらく「面接すら行く気にならない」と思うのではないでしょうか。
そりゃそうですよね。
これだけじゃ判断材料があまりにも少なすぎます。

本当に知りたいことは?

就職や転職したい人が本当に知りたいのは、
こういったことじゃないんでしょうか?

  • 最初の1ヶ月はどんな仕事を任されるのか?
  • 経験があっても、この会社で自分は通用するのか?
  • 1日の仕事の流れや雰囲気は?
  • 本当に土日は休めるのか?
  • 給料は残業込みで実際どのくらいになるのか?
  • ブラック企業じゃないか?
  • トラックはきちんと整備・清掃されているか?
  • 働いている人の表情は?疲れ切っていないか?

もし、私だったら、やっぱりこういったことが気になります。

ところが、実際の求人票を見ると、
こうした不安や疑問に何一つ答えていないものが非常に多いのです。
条件をただ羅列しているだけ。

あるいは、作り笑顔の写真が大きく載っていて「仲良しアピール」に必死な、
いかにも“採用用に作られた”サイトだったりします。
写真があるだけマシかもしれませんが、それでも不安は拭えません。

それなのに、「人が来ない、人が来ない」と嘆く会社の多いこと。

いや、それで応募が来たら奇跡ですよ。
どこまで「上から目線」なのかと感心すらしてしまいます。

仮に応募が来て採用できたとしても、
ミスマッチが生じてすぐに辞めてしまう可能性が高いでしょう。

 

「採用側が伝えたいこと」「求職者が知りたいこと」

この問題の根本には、
「採用側が伝えたいこと」

「求職者が知りたいこと」
まったく別物であるという認識の欠如があります。

これは、求人に限らず、セールスやコンサルティングでも同じです。

たとえば、売れない営業マンはこうです。

・自分の成績のことばかりを考え
・商品のメリットだけを一方的に説明し
・相手の本音や不安には一切触れず
・最後は「死亡」「家族に万が一」などの不安を煽って契約を迫る

これではたとえ契約になっても、
違和感しか残らず「売りつけられた」という印象になるだけ。
紹介もされず、リピートも望めません。

一方、売れる営業マンは質問が上手で、
相手の言葉の裏側にある「本音」や「意図」をしっかりと汲み取ります。

そして、最後にちょっとだけ提案する。

すると相手も納得して契約し、
「あの人なら紹介しても大丈夫」と信頼されるようになるのです。

 

話を求人に戻しましょう。

応募が来ない会社の求人票は、
まさに「売れない営業」と同じパターンです。

求職者の視点を一切無視して、
自分たちが伝えたいことだけを並べているのです。

こんな営業マン、嫌ですよね。
でもそれと同じ事を今、あなたもやってるんです。
求人という別の舞台で。

だからこそ、
まずは求職者の立場で考えてみることが大切です。

自分が転職活動をしているつもりで、
「この求人票を見て応募したくなるか?」
を真剣に考えてみるのです。

もっと言えば、実際に求職中の人に自社の求人票を見てもらい、
率直な意見を聞いてみるのが最も効果的です。

それが難しいなら、現場の社員やその家族でも構いません。
「この会社に入りたいと思うか?」
「面接を受けてみたいと思うか?」など、
フィードバックをもらいましょう。

そして、
「何が足りないのか」
「何を知りたいのか」
を徹底的に洗い出し、求人内容をブラッシュアップしていく。

そうすれば、確実に応募が増えるはずですし、
入社後のミスマッチも減っていくはずです。

良い部分だけをアピールしすぎると、
入社後の理想が高くなりすぎ、実際の仕事との差にギャップがあり、
すぐ辞めてしまうというミスマッチが起こります。

 

最後に

求人票は広告であり、営業ツールでもあります。
自分たちの言いたいことだけを並べた
「自己満足のチラシ」では、誰の心にも響きません。

だからこそ、「相手の知りたいことは何か?」を起点に、
言葉を尽くすべきなのです。

それが、応募者の目に留まり、心に刺さる求人の第一歩なのです。

 

それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。

またお会いしましょう!

 

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