霊柩事業の許可についてわかりやすく解説

 

何かのご縁で霊柩や遺体の搬送の仕事を始めることになった、又は始める予定のあなたに許可の要件をヒト、モノ、カネの順番で説明していきます。

 

霊柩って貨物なの?

霊柩の事業を始めるのに許可が必要と聞きました。本当ですか?
はい、本当です。

霊柩車やご遺体の搬送を仕事として始める場合、

一般貨物(運送業)の許可を取得する必要があります。

え?遺体を運ぶのに一般貨物(運送業)の許可が必要なの??
はい、そのとおりです。
非常に残念というか、
ここでズバッと言うのも心苦しいのですが、
人が亡くなるとただのモノという扱い
になってしまうのです。
なので、モノを運ぶための許可、
つまり一般貨物(運送業)の許可が必要になるのです。
そうなんですね、なんかモノ扱いするって失礼な気がするなぁ…
確かにそうですね。
でも残念ながら法律上はこのように扱われるので
それに従うしかないのです。
もし、生きている人を運ぶのであればそれは
貨物(トラック)ではなく
旅客(バスやタクシー)の許可が必要になるんです。
そうなんだ。

確かに考えてみるとタクシーでご遺体を運ぶというのは聞いたことないかも。

はい。なので霊柩=一般貨物(運送業)の許可が必要になるんですね。
なるほど。霊柩の許可が必要なのはわかりました。

じゃ、霊柩の許可って個人でも取れるの?

はい、霊柩の許可は

個人でも法人でもどちらでも大丈夫です。

具体的に許可の要件を

ヒト、モノ、カネの順番で説明していきますね。

ちなみにこのページでは一般貨物(運送業)の許可を

都合上、霊柩の許可と言います。

 

3つのヒト

霊柩の許可を取るには3つのヒトの要件と役員の法令試験をクリアする必要があります。

ヒトその1「運行管理責任者」

1つ目は運行管理者です。
一般貨物(運送業)と霊柩の場合を比較してみましょう。
トラックの場合

・運行管理者は必ず必要

霊柩の場合

・霊柩車が5台以上の場合は必要
・4台までなら「運行管理責任者」がいればOK

ん?
運行管理者と運行管理責任者の違いってなんですか?
簡単に言うと、資格があるかないかの違いです。
運行管理者はきちんと試験に合格したり
実務経験を積んだ人がもらえる
国家資格を持っている人のことです。
ところが霊柩の場合の運行管理責任者は、
資格制度がなく、
誰でもなることができるんですね。
そうなんですね!
じゃ資格がなくても大丈夫なんですね?
はい、大丈夫です。
ただし、勘違いをしてほしくないのですが、
運行を管理したり点呼をしたりする人が
いなくてもいいよ、という訳ではありません。
あくまでも有資格者がいなくても大丈夫
というだけのことであって、
きちんと「運行管理責任者」という
ポジションの人がいないとダメなのです。
そっか、まぁ当然といえば当然ですね。
はい、点呼や運行の管理は霊柩であっても
きちんと行うことが大大大大大前提です。
そして、この特例は車両4台までの話。
車両が5台以上になる場合は、
きちんと運行管理者資格を持っている人を
運行管理者として陸運局に
届出(選任届)なければいけないので注意が必要です。
霊柩の運行管理責任者のまとめ
  • 国家資格は不要
  • 5台以上は運行管理者の選任が必要
  • 運行管理者の選任は陸運局への届出が必要

 

 

ヒトその2「整備管理責任者」

2つ目は整備管理者です。
こちらも運行管理者同様、
5台を超えなければ選任は不要です。
ちなみにこちらも霊柩の許可の場合は、
整備管理者ではなく整備管理責任者となります。
整備管理責任者も運行管理責任者同様、
特に必要な資格はありません。
なるほど、運行管理責任者と一緒ですね。
はい、そのとおりです。
さらに、運行管理責任者と兼任、
または運転手と兼任の両方が認められています。
霊柩の整備管理責任者のまとめ
  • 国家資格は不要
  • 5台以上は運行管理者の選任が必要
  • 運行管理者の選任は陸運局への届出が必要

 

 

ヒトその3「運転手」

3つ目は運転手です。
ここで気になるのは霊柩車を運転するには
「2種免許が必要かどうか?」ということですが、
結論、2種免許は不要です。
なるほど!2種免許は必要ないんですね!
はい、前半でも説明しましたが、
ご遺体はヒトではなくモノなので2種免許は必要ないのです。
ここに注意

万が一、運賃料金などをもらうのであれば、霊柩の許可ではなく旅客(バスやタクシー)の許可が必要になりますので注意してくださいね。

 

でも2種免許が必要ないなら人材も確保しやすいですね。
はい。

普通免許でも運転手として運転できるので

人材の確保は難しくないと思います。

ここに注意

霊柩の運転手は原則、社会保険の加入が義務付けられているので注意してください。

 

霊柩の許可を取るのに最低何人いれば大丈夫なのか?

ヒトについての要件はだいたいわかりました。

結局、霊柩事業は何人いればスタートできるのですか?

最低2人です。

でも申請の時点では決まっていなくても大丈夫です。

つまり申請する人だけで大丈夫です。

え?そうなんですか?
はい、あくまでも申請時点の話ですが。
ここに注意

最終的に霊柩の許可が下りて緑ナンバーを付ける前までには、きちんと運行管理責任者と整備管理責任者と運転手を確保していなければ緑ナンバーは付けられません。
なのでそれを踏まえて「最低でも事前に運行管理責任者、整備管理責任者兼任で1名、運転手1名の合計2名は確保しておくのがベストです。

 

 

3つのモノ

ここからは霊柩の許可に必要なモノの要件です。モノについてもヒトと同様、3つの要件をクリアする必要がありますので1つずつみていきましょう。

営業所・休憩施設

営業所なんてどこでもいいんじゃないの?
ダメです。
霊柩の事業の営業所や休憩施設については
色々な条件があります。
基本的にはトラックの場合と同じなので
ここでは簡単に説明します。
ちょっと待って。
その前に休憩施設ってなに?
休憩施設はわかりやすく言うと休憩室のことです。
営業所とは別に運転手さんが休憩できる
スペースをきちんと確保しないとダメなんです。
ちなみに休憩施設は営業所か車庫に併設
していることが望ましいです。
用途地域

例えば、霊柩の営業所にしたい場所が「市街化調整区域」だとしたらかなりハードルが高いです。逆に「第1種住居地域」とか「商業地域」とかでしたら大丈夫です。

建物

建物についてはズバリ、違法建築はダメです。勝手に置いてしまっているプレハブなんかも注意が必要ですね。

 

車庫

なんとなく適当に選んじゃダメなんですね…
車庫も色々制限があるんですか?
車庫については
営業所ほど要件は厳しくありません。
市街化調整区域でも大丈夫です。
ここに注意
  • 有蓋車庫と言って、車庫としての建物がある場合は注意が必要です。
    この場合、市街化調整区域だとしても車庫として認められない可能性が非常に高くなります。
  • 当然ですが、田んぼや畑はダメです。が、山林は大丈夫です。
  • 営業所と車庫は併設がベストですが、直線で10km内でしたら離れていても大丈夫です。

 

 

営業所よりは条件がゆるそうですね。
あとは肝心の車ですよね?
車については、
霊柩の申請ができる車種の区分が
限定されていて、
以下の4タイプに分かれます。
ここに注意

ちなみに軽自動車を使用する場合は一般貨物の霊柩の許可ではなく軽貨物の届出になります。つまり許可の制度が変わります。

車種の区分
  • 宮型

  • 洋型

  • バン型

  • バス型


出典https://www.weblio.jp/content/バス型霊柩自動車

霊柩車と寝台車のちがい
そういえば霊柩車と寝台車って何がちがうんですか?
霊柩車とは一般的に葬儀場から火葬場まで
ご遺体を運ぶために使用される車です。
特徴としては、見た目にも霊柩車だと
わかるような改造がされている点ですね。
宮型みないなちょっと派手なタイプは
めっきり見なくなりましたが、
ボディがストレッチしてあったり、
リヤウインドウあたりに
装飾がされていたりするのでひと目で
霊柩車と分かる場合が多いですね。
うん、なんとなくわかる気がします。
じゃ寝台車は?
寝台車とは霊柩車とは違い、
病院や警察などで亡くなられた故人を
葬儀場やご自宅まで運ぶために使用される車です。
霊柩車とは違い、見た目は本当に普通車そのままです。
ただし、よく見ると霊柩限定などの表示があるのですが、
ハイエースやエスティマ、アルファードなどが使われる
ことが多いですね。
また、寝台車の場合、棺ではなく担架(ストレッチャー)
の場合がほとんどなので、福祉系で使用されていた中古車
を利用する方もいらっしゃいます。

 

カネ

さて、霊柩の許可に必要なヒト、モノと説明をしてきました。お次はカネです。霊柩の許可申請をするときには、資金計画というものを作成し提出しなければならないんです。

なんか資金計画って難しそう…
はい。確かに慣れていないと難しいかもしれないですね。
ここではどんな項目を資金計画に盛り込むのか説明します。
主な項目
  • 人件費×6ヶ月分
  • 燃料費×6ヶ月分
  • 維持費や修繕費×6ヶ月分
  • 営業所や車庫の家賃×12ヶ月分
  • 車両費×12ヶ月分
  • 自動車税や重量税×年額
  • 保険料×12ヶ月分
  • その他水道光熱費など

 

結構色々ありますね…
はい。そして、これらを合計した金額を
上回る額の自己資金があることを
証明しなくてはいけないのです。
通帳のコピーとかを見せるんですか?
いえ、違います。
具体的には、きちんと金融機関が発行した
残高証明書という証明書を申請時に添付するんです。
ここに注意

資金については、申請してから審査をしている間、その残高がキープされているかを確認するため法令試験合格後、再度、残高証明を提出します。合計2回、残高証明を提出する必要があるんですね。最初だけ残高証明を出せばいいわけではありません。

 

 

役員の法令試験

霊柩の許可を取得するための条件の1つが「役員の法令試験」に合格することです。あまり馴染みは無いかも知れませんが、実はこういった試験の制度があるのです。この法令試験について説明します。

霊柩の許可を取るための試験なんてあるんですね。

初めて知りました…

はい。そのとおりで必ず試験に合格する必要があるんですね。
そして試験を受ける人も決まっているんです。
ちなにみに、この試験は霊柩とトラックは共通です。
法令試験を受けられる人
  • 法人の場合:登記された常勤の取締役
  • 個人の場合:申請者本人

 

※法人の場合で、常勤の取締役が何人かいる場合は、申請時に法令試験を受ける人を決めておかなければいけません。そして、その人以外が法令試験を受けることは原則出来ませんので注意が必要です。

なるほど。この試験はいつ受けるればいいんですか?
法令試験は申請前に受けることはできません。
申請後に受けることになります。
試験は、関東運輸局の場合、
奇数月に実施されています。
試験はどこでやるんですか?
例えばなのですが、栃木県内の方が申請をする場合は、
栃木県を管轄する関東運輸局になります。
場所は横浜にある合同庁舎内ですね。

法令試験の出題範囲

横浜にいかなきゃならないんですね。
試験はどんな内容ですか?
試験の範囲は幅広いです。
以下の範囲から出題されます。
法令試験の出題範囲

(1)貨物自動車運送事業法
(2)貨物自動車運送事業法施行規則
(3)貨物自動車運送事業輸送安全規則
(4)貨物自動車運送事業報告規則
(5)自動車事故報告規則
(6)道路運送法
(7)道路運送車両法
(8)道路交通法
(9)労働基準法
(10)自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
(11)労働安全衛生法
(12)私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
(13)下請代金支払遅延等防止法

…。結構範囲広いですね…。
確かに、結構範囲が広いですね。

でも、運送業として霊柩事業を
経営していくためには関係する法令を
まんべんなく知っておかなくては
いけないので仕方がないと言えば
仕方がないのかも知れません。

ここに注意

法令試験は運行管理者試験とは別の試験になりますので運行管理者資格を持っているからという理由で免除になったりすることはありません。

 

 

法令試験の内容と合格の基準

ぶっちゃけ難しいですか?
はい。
実際に運送や霊柩の業界で働いたことがないと
難しいかも知れません。
試験の内容と合格基準
  • 試験時間は50分
  • 問題数は30問
  • 合格するには30問中24問正解が合格ライン
  • 試験問題は〇×と言葉を選ぶ選択式
  • 条文集が配布されるのでそれを見ることは出来ますが書き込み等は禁止されています。

 

もしも試験に落ちたりしたら?
試験に落ちてしまったら
2回目の試験を受けることになります。
ここに注意

この法令試験の特徴として受験回数に制限があります。すでにご存知かも知れませんが、チャンスは2回まで。もし、2回とも不合格だった場合は、残念ながら申請を取り下げて再度申請のやり直しになってしまいます。せっかく準備した書類も印鑑を押し直したり残高証明取り直したりなどなど。結果として許可が下りるまでの時間がかなり長くなってしまいます。スムーズに運送業を始めたい場合は、法令試験に1回で合格したいところです。

 

 

申請期間や流れについて

最後に申請の期間や申請からの流れについて説明していきます。

期間

実際にどのくらいの期間で許可が下りるんですか?
申請するまでの期間と
申請してからの期間が
ありますので説明しますね。
申請するまでの期間

霊柩の許可を申請するまでの期間は通常、平均して1ヶ月から2ヶ月程度かかります。残高証明の準備や、営業所や車庫、車について何も決まっていない場合はその分だけ長くなります。

申請してからの期間

霊柩の許可を申請してから許可が下りるまでの期間は3ヶ月から5ヶ月となっています。これは標準処理期間と言ってあくまでも運輸局が定めた標準的な期間であって、必ずこの期間で許可になるということではありません。書類に不備があったり、法令試験に落ちたりするとその分長引きます。

 

申請から運輸開始までの流れ

次に申請から運輸開始までの実際の流れをおおまかに説明します。

打合せ
(現状をお伺いさせていただきます)

受任
(申請可能と判断した場合受任となります)

要件調査
(営業所や車庫の調査、資金面の段取り等を行います)

書類作成
(提出する書類の作成を行います)

申請
(栃木県の場合は栃木運輸支局へ提出します)
(1回目の残高証明提出)

法令試験
(もし落ちたら再度試験を受けます)

2回目の残高証明提出
(関東運輸局の審査担当から連絡があり次第提出します)

許可
(経営許可がおります)

登録免許税の納付
(納付書が届くので12万円を納付します)

社会保険、雇用保険等の加入
(運転手などの人員を各種保険に加入させます)

運輸開始前届の提出
(社会保険等の加入等の準備が整ったら書類を提出します)

事業用連絡書の発行
(緑ナンバーを付けるための書類の発行を行います)

緑ナンバー装着

運賃設定、運行開始届出提出
(車両を保険に加入させた後、運賃設定をして書類を提出して完了です。)

 

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  • 報酬 330,000円(税込)
  • 登録免許税 120,000円(許可が下りた後に納付書が届きます)

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